スズキ株式会社

RECRUITING

Project Storyプロジェクトストーリー

新型ソリオ
開発ストーリー New SOLIO Development Story

2020年11月にフルモデルチェンジされた、スズキを代表する車種である「ソリオ」。
この開発プロジェクトに携わったメンバー6名が、
完成に至るまでの当時の苦労や喜びなど、新型ソリオへの熱い想いを語ります。

Discussion Member

[ 開発工程 ]

  1. 写真:畑山 智信

    商品企画
    畑山 智信(2008年入社)
    商品企画部
    工学部 機械システム学科卒

    商品企画として、開発前段階での市場調査、仕様策定を担当し、開発開始後は一連のプロジェクトを管理する立場を務めた。

  2. 写真:平井 利枝

    デザイン
    平井 利枝(2007年入社)
    四輪デザイン部
    デザイン学部 生産造形学科卒

    車両デザインの専門職として、内装の樹脂部品や座席シートのカラーデザインを担当。

  3. 写真:水島 聖太

    設計
    水島 聖太(2014年入社)
    四輪ボディー設計部
    理工学部 機械工学科卒

    四輪車のドア部品の設計者として、後部の電動スライドドアの設計を担当。

  4. 写真:川添 和人

    実験
    川添 和人(2015年入社)
    四輪車両運動設計部
    国際環境工学部 機械システム工学科卒

    乗り心地の性能を決定する車両運動開発者として、タイヤやショックアブソーバーのチューニングを担当。

  5. 写真:沢辺 卓也

    生産技術
    沢辺 卓也(2016年入社)
    プレス・溶接生産部
    理工学部 システムデザイン学科卒

    生産技術者として、量産する相良工場のラインの構築を担当。

  6. 写真:安藤 嘉則

    販促・宣伝
    安藤 嘉則(2011年入社)
    国内営業業務推進部
    経済学部 経済学科卒

    広告宣伝や販促活動をメインで担当。カタログ制作やCM、Webページの企画制作などを手がけた。

Episode 01

家族が笑顔になれる、もっと快適な車内空間を目指して。

新型ソリオの企画やデザインにおいて、こだわった点は何ですか?

畑山
新型ソリオの開発プロジェクトがスタートしたのは2018年頃。私はその商品企画を主担当で任されることになりました。実は先代のソリオの企画にも途中から関わったのですが、最初から担うのは今回が初めて。ソリオは国内での主力車種であり、それを自分が企画することにプレッシャーを感じましたが、それ以上に良いクルマを創りたいとワクワクする気持ちのほうが強かったですね。
平井
私は内装のカラーデザインを担当しました。私も二代前のソリオを手がけていて、それを超えるものにしたいと意気込んでプロジェクトに参加しました。ソリオは「家族のためのクルマ」というコンセプトを掲げていますが、私自身も結婚して家庭を持ち、ソリオのターゲットユーザーに近い年齢になったこともあり、「もし自分がこのクルマを買うなら」という視点でデザインしました。
畑山
いま平井さんが言われたように、ソリオはファミリーカーとしての需要が大きく、もっと家族が楽しく快適に移動できるクルマにしたいと考えました。「快適」の要素は多くあり、乗り心地や静粛性向上に加え、運転しやすい車体サイズは保ったまま、後部座席の空間を広くできないかということにも挑戦しました。これは難題でしたが、先代ソリオの内装を確認していた中で、クオーター部分の内装と車体のインナーパネルの間にスペースがあり、ここを室内空間として活用することで、後席乗員がさらに快適に座ることができる車内空間とすることができました。
平井
畑山さんの企画を受けてデザインに取りかかりました。私は車内を家族が集まるリビングのような空間と想定し、心地良いソファーのように質感の高いシートにしたいと考えました。企画途中で内装の材料が変更になり、当初考えていたデザインが使えなくなるなど苦労しましたが、畑山さんとも相談しながら最善の策を練り、結果として満足できる仕上がりになりました。

Episode 02

懸命に知恵を絞り、何度も検証を繰り返して理想形を追求。

ボディーや車両運動の設計において、どんな点に頭を悩ませましたか?

水島
私は新型ソリオに搭載される電動スライドドアの設計を任されました。電動スライドドアを装備したスズキの車種は数種類ありますが、私の周囲に知見のある先輩方は多くいませんでした。知見者が少ない中でしたが、先輩方にサポートしてもらいながら、自分自身でもスライドドアに関する設計技術を学習し、新型ソリオにふさわしい、より快適なスライドドアの構造を追求していきました。大変なときもありましたが、チャレンジしがいのある設計でした。
川添
私が担当したのは車両運動の開発です。タイヤやサスペンションの性能を定め、新型ソリオの乗り心地を決める重要な仕事であり、それを入社5年目の私がメインで手がけることになりました。たとえば、試験を重ねて最適なサスペンションのバネの定数を設定し、それを設計側にフィードバックして仕様を固めていく。先代のソリオより乗り心地を向上させなければ意味がないと、懸命に仕事に取り組みました。

水島
電動スライドドアの設計は私にとっては初めての経験でしたので、試行錯誤の連続でした。コンピュータ上でドア開閉のシミュレーションを繰り返して検証し、これならいけると確信した設計を試作し、思い通りにドアが開いたときは思わず「やった!」と声を上げましたね。
川添
車両運動開発も同様でした。ドライバーの方が一人で乗っているときも、あるいは後部座席に人が乗っているときでも、同じように快適な乗り心地になるよう、タイヤやダンパーの性能を様々な条件に設定して試験を繰り返しました。何度も細かくチューニングし、自分の持っている経験と体感を信じてベストな乗り心地を追求していきました。
畑山
川添さんの頑張りもあり、とても乗り心地に優れたクルマになったと思います。私も開発中に試乗させてもらったのですが、上級クラスのミニバンのような乗り心地で感動したのを覚えています。

Episode 03

完成時の感動をみんなで共有。コロナ禍の逆風に負けずにプロモーションを展開。

生産の立ち上げと、発売後のプロモーションで苦労したことは?

沢辺
私は生産技術者として、新型ソリオの生産ラインの立ち上げに奮闘しました。この新型ソリオには新素材がいくつか採用されていて、たとえば「高減衰マスチックシーラー(車体構造体の伝搬振動を効果的に減衰させて車内のノイズを低減する接着剤)」など、新しい材料をどう扱って生産ラインを構築するか、頭を悩ませましたね。
川添
この高減衰マスチックシーラーのおかげで、快適性を向上させる余地も大きくなりましたし、この新素材を活用できる形にした沢辺さんの成果は本当に大きいと思いますね。
沢辺
この新素材専用の治具なども開発し、安定して生産できる仕組みを作り上げるのは大変でしたが、無事にラインを立ち上げることができました。量産一号車が生産されたときは、企画や設計の方なども現場に来られて、完成の瞬間を皆で共有して大いに盛り上がりましたし、私自身も本当にうれしかったですね。
安藤
こうして完成した新型ソリオの、お客様向けプロモーション活動を担当しました。以前、営業の現場を経験していたので、お客様がどの様なタイミングでどんな情報を求めているのかを肌で感じていました。それを踏まえてわかりやすく新型ソリオの魅力をお伝えしようと心がけました。
畑山
新型ソリオが発売となって、すぐにコロナ禍に直面してしまい、販促活動がなかなか難しかったのではないですか?
安藤
そうですね。どのようにすればお客様に“新型ソリオを購入するきっかけ作り”ができるか悩みました。そして、コロナ禍で安全な移動手段として自動車のニーズが高まってきたことに着目して、新型ソリオに乗って安心・安全に移動を楽しんでもらいたい!という思いから、販促活動を検討しました。「ソ・ソ・ソリオ♪」と口ずさみたくなる歌とダンスのCMを企画したり、宣伝チームの先輩たちに助けられながら様々なプロモーションを行いました。その結果、調査会社のCMランキングでは2021年の上半期自動車業類で1位を獲得するなど、様々なところから高い評価をいただくことができました。

Episode 04

若手の力を引き出し、チームで難題を突破する。それがスズキらしさ。

新型ソリオの開発プロジェクトを経験して、いまの想いは?

平井
私は今回の開発プロジェクトを通じて、「スズキは本当にチーム力が高い会社だ」とあらためて感じました。内装の材料が変更になってデザインに制約が生じたときも、商品企画や設計の担当者に相談すれば一緒に解決方法を考えてくれて、チーム力で壁を突破できた。そうしたスズキの風土を私はとても気に入っています。
水島
あとスズキは若いうちから大きな仕事を任せてくれる会社です。電動スライドドアは注目度の高いパーツですが、こうした重要な部品を、入社4年目の私のような若手にも委ねてくれる。大変と感じることもありますが、完成したときの達成感は何物にも代えがたい。このプロジェクトを通して技術者としても大きく成長できたように思います。

川添
水島さんが言われた通りで、私も入社5年目で新型ソリオの乗り心地を決める役割を任されました。私ぐらいの年代で、このようなチャンスを得られる自動車メーカーは少ないと思います。
沢辺
そう、若いうちからモノづくりの醍醐味を堪能できる会社ですね。入社数年で、自分が築き上げた生産ラインから人気車種が生み出され、世の中のいたるところで走っている。新型ソリオを街で見かけると、思わず目で追ってしまいますね。
川添
私はソリオの乗り心地を開発したので、走行時の振動により、乗っている方の首が上下に動いていないか、注目してしまいます。

安藤
新しいことに果敢に挑戦させてくれるのも、スズキらしさだと思いますね。今回、Web用の機能説明の動画を制作するなど、Web上での購入検討を進めるコンテンツ制作も任せてもらいました。将来はWeb上で契約まで完結できるような仕組みも実現したいと思っています。売り方も、スズキ発信で世の中にイノベーションを起こしていきたいです。
畑山
これからクルマは、電動化や自動運転化など大きく進化していくと思います。そうした未来でもスズキらしさを存分に発揮し、お客様に喜んでいただけるクルマをチーム一丸となって創り続けていきたいと思っています。

※部署名、内容はインタビュー当時のものです。

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