設計(二輪車体)松本 悠
2015年度入社/機械系学部出身
私は二輪車のフレーム、スイングアーム、フットレストなど、車体骨格部品の設計を担当しています。
二輪車は非常にコンパクトな車体の中に様々な部品が組み込まれていますが、多くの部品が露出しており、骨格部品も例外ではありません。
そのため、強度、剛性を担う機能部品でありながら、ライダーの身体との当たり方、意匠も含めた外観までをも考慮する必要があるところが、二輪部品の設計の難しいところだと感じています。
それら全ての要素のバランスを取り、製品として成立させるためには、他部門との密なコミュニケーションが必須です。企画段階から開発に携わり、デザイナーとも話し合いながら基本構成を決めていきます。
その際、提案頂いた内容に対して「できる」「できない」の回答だけでなく「こうしたらどうか?」と代替案を提示できる様に心掛けています。
代替案を提示することは、自分の中での理解を深め、相手の考え、やりたいことの方向性を確認できると共に、相手に納得してもらう手助けにもなるとも考えているからです。
入社してからは一貫して、車体骨格部品の設計を担当しています。配属後、すぐに担当機種が割り振られ、テスト課に呼び出されるところから仕事が始まりました。
最近の機種では「隼」のフレーム、スイングアーム、フットレストの設計を担当しました。10年以上ぶりのFMC機種であり、しかもあの「隼」の設計を任せてもらえるなんて、喜びもひとしおでした。
開発の初期段階から携わった最初の機種であり、多くの部品を担当したので、「自分が作ったバイクが世に出た感」を味わうことができました。
大学院時代は「台車用キャスターにおける振動現象」を解明することをテーマとして研究に没頭しました。この研究は製品を実際に製造している企業からの依頼であり、自分の成果がすぐに世の中の役に立つところにやりがいを感じていました。
実際の研究活動のほとんどを企業内で行っていた為、「ものづくり」を肌で感じることが出来たのが良い経験になったと思っています。
その経験の中で再認識したのは、「ものづくりを仕事にすることは本当に楽しい」ということでした。
キャスターを作っても楽しいのに、自動車を作れたらどんなに楽しいのだろうと、心躍らせました。
保育所の卒業アルバムに将来の夢「車」と書いたほど、幼いころからの車好きであった私は、必然的に自動車業界への就職を希望しました。
大学時代にもスズキのバイクに乗っていました。スズキの製品は個性的で、作り手の意図がはっきりと伝わってくる点がお気に入りでした。入社前から、一スズキファンであったと言っても過言ではありません。
また、スズキは「一人の守備範囲が広く、若いうちから大きな仕事に挑戦できる。」という話を聞き、技術者として早く一人前になりたかった私は、迷わずエントリーシートを送りました。
近年、若者のバイク離れが進んでいると言われています。今の社会の価値観を考えると仕方ないのかもしれませんが、こんなにワクワクするツールに気付いてもらえないことが悔しくてたまらないです。
今後も探求心を忘れずに二輪車と向き合っていき、次の時代の二輪車に求められるものをいち早く察知できるようにしたいです。そうして、市場のニーズを先回りした新しい製品を生み出したいと考えています。
同期でガレージを借りていて、休日は、バイクや車いじりを楽しんでいます。
入社後半年ぐらいに、同期内でガレージを借りたい人を募ったのですが、そこはさすがのバイクメーカー、すぐに目標人数が集まり、無事に夢のガレージライフを始めることができました。
好きな人、詳しい人が周りに山ほどいるので、趣味で行き詰った時の相談相手には困らない環境です。
新婚旅行ではタンデムで北海道までツーリングに行きました。妻も今では「良い思い出になった(寒かったけど)」と言ってくれています。
※部署名、内容はインタビュー当時のものです。